鬼も仏に
引きこもりや不登校は、今の社会が抱える大きな問題である。 本人も、周りも、どうしてそうなったのか、どうやったら解決できるのか分からないでいることが多いようだ。
我々の住む社会には、困難なことが付きまとう。 貧困や差別、人間関係の軋轢、嫉妬、劣等感などなど。 人は日々それらにさらされている。 確かに、それらを一つひとつ乗り越えていくことは容易ではない。
不登校にしても引きこもりにしても、単に個々人の問題であるばかりでなく、社会全体のひずみの表れではあるまいか。 一方で、、「怪我の功名」や「災い転じて福となす」ということわざもある。 怪我がそのまま功名に変わるのでもなく、災いが直ちに福となるのでもない。 そこには、因果を反転させる何かが必要だ。
あの司馬遼太郎は小学生の時、教師に逆質問して叱責された。 その悔しさから図書館の本を読みつくしたという。 数十年後、「その時に鬼と思った教師の顔が、自分にとっての仏だった」と語っていた。
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